お祭り基礎講座 祭とは何かを考える(2)


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2 裏祭り
 本来の祭に付随してできた非公式の祭、これを裏祭りという。
 既存のフォーマルな祭の枠組みでは吸収しきれない欲求が出たとき、それらがその祭の期間中や前後などに、違った形でエネルギーが発散することがある。発散するエネルギーと、既存の祭のシステムとの中で折り合いがつくかつかないかで、「裏祭」となるか、暴徒になるかが分かれる。
 裏祭になった例をあげると、
 ・弘前ねぷたのハネト
 ・コミケットのコスプレ
 ・長崎くんちの「裏くんち」
暴徒となった例は、
 ・青森ねぶたの「白鳥」「からす」
 ・初期の神戸祭の暴走族による殺人
が挙げられる。
 弘前ねぷたは、ねぷたを参加者みんなで曳く祭である。通常青森ねぶたみたいに跳ねたりはしない。そのなかでも、一部の団体は実際に青森の衣裳みたいなので跳ねたりすることがある。または、電車で30分かけて同時期に行われる青森ねぶたへ行ってしまう。
 コミケットとは、自主制作の同人誌を発表・即売するイベントの代表格である。そのなかでも、パロディ本を作ることではなくキャラクタの扮装をすることにより、キャラクタに入れ込む人がいる。これを「コスチューム・プレイ」略してコスプレという。
 「裏くんち」とは、10月7日の神社奉納の舞台の席とりのために徹夜していたひとに対して、くんちの正しい応援の仕方を手ほどきしたものが起源であるが、掛け声指導をするときに、半纏を縫いで頭にかぶって傘鉾の真似をしたり、半纏をつなぎあわせて龍踊りを演じたのが発展していき、「龍踊り」「鯨の潮ふき」「竜宮船」などのミニ模型をつくったり、常連の出演者がでるなどとなり、6日深夜にわざわざ見に行く「裏くんち」とよばれる裏まつりとなった。
 既存の祭のシステムに合致しない欲求がでて、それが既存の祭のシステムのすきまにうまくはまったときは、この様な形となる。それに対して、よくTVの全国警察24時の特別番組などででてくる、白や黒などの特攻服を着て観光客やハネトなどに暴行を加えるのを白鳥やカラスといい、祭のシステムにはまらなくなった代表例にあげられる。


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