【神輿みたまま】川崎・天満天神社の祭

★ 情報提供者:はっちゃん

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 こんばんは はっちゃんです。9月28日(日)も朝から神輿を二箇所梯子して
きました。その報告、まずは昼の部からです。

【突然のお誘い】
 9月28日は夕方の万燈神輿だけで比較的静かな日の予定でした。27日の夕方
までは.....。
 27日の夜7時、明日の集合時間と場所の確認の電話をいれて一息。その後に、
丸一日振りにネットにアクセスしたところ、メールが来ていました。

>>はっちゃん お元気ですか
>>
>>しばらく、連絡がないところを見ると お忙しいと思います
>>私の方は 相変わらずです
>>今週は、うちの地元の祭禮です
>>お暇なら 携帯に連絡下さい
>>27−28日 両日ともでます
>>ではでは

 と言うことで、湘南シリーズの時にお世話になった、Zさんからメールで神
輿のお誘いです。
 Zさんの地元の祭。これは是非ともお伺いしないと行けません。
 さっそく携帯に電話。10時半集合で、午後2時半まで担がせていただくこ
とにしました。
 「祭道」の夕方の部は待ち合わせ場所をパスして4時までに直接神酒所へ行
くことでOK.なんとか二箇所、梯子の段取りが整いました。酒二升買いに走
って、明日に備えます。

【天満睦さん】 
photo-mikosi
 川崎上平間・天満天神社はJR南武線鹿島田駅の駅前商店街にあります。商
店街には鳥居だけが面していますが、参道を入ると奥は以外と広がっていま
す。本殿も社務所も鉄筋コンクリート造りの彩りも明るい、新しい感じの神社
でした。天満睦さんは基本的には、地元町会主体の同好会のようです。Zさん
の名刺には「神輿保存会」とあります。
 天満睦さんの神酒所は、天神社のすぐ脇。さっそく、神酒所にご挨拶。お守
りの木札、タオルとお礼状を戴きます。今日は、はっちゃん一人だけですが、
Zさんに通して戴いてあるので「祭道」の半纏で担げます。うれしいですね。
夏にお目にかかった何人もの方からも、昨日別れた見たいに「ヨゥ!」と声を
掛けてもらいました。これもまたうれしいですね。
 まずは天満睦さんの神輿を拝見します。大きさ台座2尺3寸。唐破風屋根。
勾欄造りの漆も美しい神輿です。屋根紋は天神社の町会ですから、当然梅鉢。
市川市の中台祐信師の銘版が付いていました。
 頂戴した渡御守りの木札は、縦65mm・横36mm・厚5mm。表には「川崎下平間 
天満天神社 神輿渡御御守」の焼き印とお守りの朱印、裏には朱色の梅鉢の紋
と民芸品の牛が2頭焼き印で押してありました。夏にもらった川崎稲毛神社の
ものと全く同じ大きさ、表の朱印と裏の牛の焼き印も全く同じ大きさです。
きっと同じ所で造っているのでしょうね。
 きょうのZさんは「神輿責任者」でした。白地に赤縁「神輿責任者 下平間
町連」の字の入ったたすきを掛けて、奮闘。本当にご苦労様です。やっぱり、
気を使うんでしょうね。朝の、渡御前のご挨拶も、緊張と、照れが見えました
よ。
【連合渡御】
 天満天神社の前の鹿島田駅前通り商店街に並んだ神輿は、天満睦さんのもの
だけではありません。今日は神輿5基の連合渡御です。今回の祭礼の連合渡御
は、各会の神酒所を順番に巡って、各々で休憩しながら渡御していきます。5
基の神輿で9箇所の休憩ですから、それ以外の所もあるわけですが。
 面白いと思ったのは、各休憩毎に、渡御の順番が交替していくことです。各
神酒所にはその町会の神輿が一番最初に入り、一番最後に、出ていくように、
渡御の順番が組んでありました。結構珍しい方法のように思います。連合渡御
の場合、年によって変わることはあっても、一日のうちでは、最初から最後ま
で渡御順は変わらないのが普通だと思います。三社祭でも、鳥越でも、深川で
も、そして先日の牛嶋でもそうでしたから。
 最初の神社前を出た時の順に紹介していきますと魁は「天満睦」。その後は
順に「R番地自治会」「Gハイツ自治会」「M会」そして殿は「S友会」の5
基でした。
 天満睦は、同好会(天満睦も含めて)が主力で、担ぎは江戸前。
 R番地自治会の神輿は、最初3区間は、子供神輿でしたが、4区目から大人
の神輿になりました。
 Gハイツ自治会の神輿は、最初から最後まで、自治会だけで担いでいたよう
です。少なくとも、Gハイツ自治会の半纏以外の人はいませんでした。
 M会は同行会も入っているようで江戸前担ぎです。でもたまに湘南流のどっ
こい担ぎも入れていました。
 S友会は羽田神社と同じ「ヨコタ」の担ぎでした。
 連合渡御の神輿は各神酒所で休憩する度に、参加神輿毎に指定されたテーブ
ルに、主催町会さんの心尽しの接待の食べ物、飲み物がたっぷりと並んでいま
す。朝から、ビール、ウーロンハイ、おしんこ、唐揚げ...で、すっかりいい
気持ちで、担いでいきますヨ。
【S友会の神輿/ヨコタ担ぎ】
 S友会の神輿は大きさ2尺余。延べ屋根の神輿で、一番の特徴は担ぎ方でし
た。はっちゃんはこの担ぎをみるのは初めてです。なんせ、今年の羽田神社、
朝起きられなくて、行かなかったものですから。
 この担ぎは「ヨコタ」と言うようですが、本棒が、支えとなって両脇がジ
ャンプするものです。以前御紹介した新座の大和田と似ていますが、違う所も
いくつかあります。
 まず、縦棒は本棒2本に添え棒2本。これは江戸前と同じです。違うのは横
棒(俗にトンボ)のほうで、江戸前は神輿の前後に一本づつですが、この神輿
の場合は各2本づつ、計4本あります。大和田も2本でした。
 珍しいのが担ぎで、普通の時は縦棒4本を使って担いでいきます。が、交差
点など見せ場の所で、神輿の責任者がマイクで「もしもしかめよ、かめさん
よ」または「はあ〜 で始まる東京音頭の頭の部分(著作権問題に絡むのが面
倒なのでこれで止めておきます)」を唄い出すと、添え棒が抜けて、トンボに
一人ずつ神輿に向いて取りつきます。前棒は後ろを向き、担ぎ手全員が神輿の
ほうに身体を向けます。(このあたり記憶は定かではないのですが、出来上が
った写真によるとそういう態勢をとっていました。)歌の歌い出しが、態勢を
とるための合図です。
 つぎにマイクの「ヨコタでおいで、オイッチ、ニイ、サン」の掛け声と共に
神輿が大きく左右に振れはじめます。トンボが、しゃがんだり飛び上がったり
して神輿を揺する訳です。一回に5〜6回から10回程度、神輿を振るようです
が、その間トンボはどんどん交替していきます。一度経験して見たい担ぎでし
た。この担ぎ珍しいので、写真をライブラリにアップしておきます。
【神輿の大きさ雑感】
 天満睦とS友会の神輿は大きさは2尺以上の立派な神輿でした。が、それ以
外の3基の神輿は、いずれも大きさ1〜1.8尺程度の神輿です。いかにも手作
りを感じさせる神輿もありました。
 はっちゃんは、この程度の大きさの神輿を、大人の男が担いでいるのを見た
ことは在りませんでした。最初子供神輿が、一緒に連合するのかと思ったくら
いです。でも、六八自治会の最初の部分以外は全て大人が担いでいました。
 今まで、「神輿は大きい方がいいんだ、立派だ」と思っていた、はっちゃん
にはこの事は大変考えさせられるものがありました。
 R番地自治会やGハイツ自治会は、団地の自治会です。結成してから大分年
数は立っていそうですが、神輿野郎も何人もいないでしょうし、商店街や企業
ではないのですから、そんなに、寄付も集まらないでしょう。(大変不躾なこ
とを申し上げていますが)
 見栄を張らずに自分達で無理なく担げる神輿で、連合に参加して、氏神様の
祭礼を執り行う。そして祭を楽しむ。彼等は、楽しそうにそして誇らしげに、
自分達の神輿を担いでいました。
 見栄を張って、人を頼んでパッと派手に行くのも見事なやり方なら、自分達
でつつましく祭を執り行い楽しむのも、分限をわきまえた立派な祭の行いだ。
と考えさせられた次第です。
 そして、連合の各町会のみなさんもみんなそれを理解しているからこそ、渡
御順を公平に交替しているのかもしれません。普通の連合渡御の場合、最初と
最後は、見栄えのいい神輿、神社に縁りのある神輿(たとえば宮元町会)が来
るのが通例のようですから。
 祭についてまた一つ考えを深める機会でした。

 昼食を戴いてから、また少し担ぎ、予定の時刻2時半に、天満睦さんを失礼
します。ずっと良い天気だった空も、ちょっとパラ付いて来ました。でも今日
は大した振りにはならないで、終ることでしょう。
 横須賀線新川崎駅から、半纏・締め込み・足袋姿のまま電車に乗り込みま
す。
 次の神輿場・杉並に急がなければなりません。

    はっちゃん @NIIZA saitama QZM02610 でした。




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