【神輿みたまま】浜降祭 平成11年 7月20日

★ 情報提供者:はっちゃん

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 7月20日 海の日の早暁 茅ヶ崎市の南湖海岸浜降で伝統の浜降祭が行われ
ました。はっちゃんも参加させてもらったので報告いたします。
 
 去年所用で参加できなかった浜降祭ですから、ことしの「はっちゃん 浜降
祭いくかい?」とのRさんからの電話に壱も二もなく「はい、よろしくお願い
します」と返事したはっちゃんです。

 19日夜9時にRさん宅集合。4人で9時半過ぎに出発。茅ヶ崎市香川公民館
脇の諏訪神社浜降祭保存会のK副会長宅に着いたのは11時過ぎでした。

【Kさん宅で】 
 Kさんのお宅では和室二間をぶちぬきにして、極楽寺睦さん達や他の会のメ
ンバーが車座になって宴会の真っ最中。総勢3〜40人はいたでしょうか。Kさ
んの奥さん、お嬢さんの手作り料理が卓上に所狭しと並んでいます。はっちゃ
んもさっそくビールをいただきます。お腹に入れておかないと、この祭り朝迄
長いんですよネ。
 恒例のRさんからのお土産「三社祭宮出しバトルビデオ」が上演されます。
 三社にいったことのある経験者は「うんそうだそうだ」と言い、いったこと
のない人は「こんなすごいの?」「これはぜひいってみたい」から「こんなに
までしていきたくない」までにぎやかに話が弾みます。


【香川諏訪神社境内で】 
 今年の香川諏訪神社の神輿の「おたち」は午前2時との事で、1時には身仕
度をして神社へ向かいます。浜降祭の仕度は保存会の人は背中に赤で五弁の柏
の葉と香川の文字の入った湘南流の白い長ダボ。それ以外の人は白の長ダボも
しくは白シャツに白の股引と言った格好でした。足元は白地下足袋もしくはビ
ーチサンダルといった所でしょうか。基本的には白であれば構わないようで
す。それと大事なのは配られた黄色の鉢巻きをきちんとする事。鉢巻きの色に
よって担ぐ神輿が決まっています。ちなみに後で連合渡御になった下寺尾諏訪
神社の鉢巻きは黄緑色でした。

 保存会長や氏子会長の挨拶の後、香川諏訪神社の神輿のお発ちです。どっこ
いどっこいのかけ声とともに箪笥の音が鳴り響き神輿は境内を2〜3周したあ
と急な階段を宮出しです。最初に2尺台輪の小神輿がおりたあと、3尺台輪の
大神輿がゆっくり階段をおります。小神輿は神社のすぐ近くの集会所迄大神輿
を先導します。

【暗闇の町の中を】
 香川諏訪神社の神輿は真っ暗な中を香川の集落を抜けJR香川駅からの商店街
では下寺尾諏訪神社の神輿と環合、二基が前を行ったり後になったり並んだり
と連合渡御を行います。沿道には近くの人たちが間夜中にもかかわらず神輿を
迎え拍手をしてくれます。
 極楽寺睦の会長さんから、「二基の神輿は兄弟神輿だから連合の間はどっち
を担いでもいい」との許可が出たのではっちゃんも両方の神輿に入ってみま
す。あらかじめ聞いてはいましたが、なるほど、神輿によって担ぎ易さは相当
違う物です。香川の方は大きくて重心がやや上にあるようで、二点棒では左右
に揺れてかなり持ち重りがします。それにくらべて下寺尾の神輿はひとまわり
小振りですが、非常に担ぎやすい神輿でした。二点棒でしかも身体を棒の中に
入れる喧嘩担ぎですから、神輿を安定させるには、重心の位置が特に大切にな
るようです。
 子供を肩車した人が神輿の脇についています。神社の神輿ですから人は乗せ
ませんが、子供を肩車して神輿の脇で一緒に調子をとる事で、子供は非常に喜
んで祭り気分になっているようです。地域に根付いた、次代の担い手の養成な
のでしょう。保存会によっては、真夜中に子供神輿を連れてくるところもある
んですから。

【暁の浜辺】
 新湘南バイパスからバスに乗った担ぎ手は、浜辺の県営駐車場で、トラック
で別送された神輿を受け取り、一気に浜辺へ担ぎはじめます。一昨年来た時
は、バスの中で少し休む時間があったのですが、今年は、着いてすぐ神輿を担
ぎはじめます。国道を横切り、浜辺へでて、浜降祭宣伝部のテント前を通過し
て葉のついたままの青竹で出来た一ノ鳥居をくぐります。ここからは神聖な神
の場所。もうこのあたりでは神輿は担ぎ手で一杯。とても棒に取り付けませ
ん。はっちゃんも国道を横切ったあたりから棒に入って禊に備えています。
 神輿はテント前の浜で2〜3回揉んだ後まっすぐに海に入ります。今年は、
遠くの台風で海がうねっているとかで、ほとんどひざくらい迄しか海に入りま
せん。波打ち際ですからかえって、足をとられて担ぎにくいですね。
 写真をとるために神輿を抜けます。神輿からほんの2〜3メートル沖から急
に深くなっていました。大平洋を背にしてカメラを構えます。(もちろん使い
捨てカメラですが)波のタイミングを見ながらカメラを構えるのですが、後ろ
から波が襲ってきて一気に頭迄濡れてしまいました。波は相当荒いです。
 香川の神輿はこの波と汐の禊のあと、同じ青竹の二の鳥居をくぐり祭場へ入
ります。今年は香川の神輿は順番が相当早かったようで、これから浜辺での祭
事終了迄ながいながい待ち時間がありました。


【叱られました】
 待時間に担ぎ手は食事と睡眠ですごします。
 はっちゃんはひと休みした後県営駐車場の方へもどりました。先ほど海へ入
った時に足袋の小ハゼが外れてしまい、足袋の中が砂だらけになってしまい、
無理して足袋をはいていたために、足が砂で擦りむいてしまったからなんで
す。どこかで真水を見つけて砂を洗い落とさないと、歩けなくなってしまいま
す。
 幸い駐車場近くの住宅の玄関先に水栓があったので、その家の女の子に断っ
て、足と足袋をきれいに洗い流す事が出来ました。さいわい擦り傷は大した事
がなく、またちゃんと足袋をはく事が出来ました。
 浜へもどってもまだ時間がありそうなので少しバスの中で待たせてもらおう
かな。とバスの中でしばらく小休止をしていたところ、年輩の人が来て「この
ばかやろう。子供ならしょうがないが、大人なら、ちゃんと神輿をお迎えしな
いか。」とどやされました。寝不足でボーッとしている間に儀式が終わってお
帰りの時間になっていたようです。これは大変失礼をしました。さすが地元の
方は祭りを大事にしています。
 あわてて、浜へ戻って神輿につきます。香川の神輿の他、松尾神社の神輿に
も知り合いがいたので鉢巻きをとって、担がせてもらいました。

【おかえり】
 またバスに乗って香川の町会近く迄戻ります。最初に入った神輿が出るの
は、後の方。今年は町会へ帰ってくるのもずいぶん遅めです。ぐんと気温があ
がった朝の道を神輿のおかえりです。
 はっちゃんは浦和祭りへ梯子するRさんの車に便乗させてもらって、香川を
失礼したのは、10時半を少々回った頃でした。

    はっちゃん @NIIZA saitama QZM02610 でした。




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