LIB7 お祭りの意外と知らないコト

第19回 縁日・夜店・屋台 起源と最近のトレンド


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どんな業界にも「中の人は当然知ってるが、普通の人は知らない」ことがあります。

お祭りの世界にも、そんなトリビアがきっといっぱいあるはず。
このコーナーでは「お祭りの意外と知らないコト」を紹介していきたいと思います。

現在、お祭り情報メルマガ『わっしょい!全国版』にて連載中。

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第19回は、「縁日・夜店・屋台 起源と最近のトレンド」です。

屋台といっても、いわゆる山車や太鼓台のほうではありません。

夏祭りの名物といえばこれ、という夜店のほうです。
とはいっても実際、夜店は夏に限らず年中あり、大阪では真冬に行われる「十日戎」にも夜店は多数出店されていて、京都では毎月21日の弘法市(東寺)や、25日の天神市(北野天満宮)も年中出ています。

よく聞かれることに「夜店・縁日・屋台の歴史」があります。
露天商の歴史そのものは、商売の歴史当初からあるものですが、寺社仏閣のまわりにたつ縁日は、一説によれば室町時代頃から始まったとされ、江戸時代の享保年間(1716〜1736)に出現し、天明年間(1781〜1789)以後に盛んになったとされています。※

※参考文献:「屋台の歴史」
http://www.36yokocho.com/html/yatai_his.php 

夜の営業となると、かつては高価な菜種油(照明用)を使っても利益が出るかどうかが問題でしたが、利益率の高い商材がでたり、照明用の油が安くなるなどで、夜店も盛んになってきました。

さて、夜店の傾向と対策。

夜店を分類すると、主に、

・消えモノ(食べ物やおかし)
・おもちゃ類
・賭けモノ
・見せ物類
・動植物の販売
・縁起物販売

などに分かれます。

・消えモノ(食べ物やおかし)
食べ物でいえば王道は焼きそば・お好み焼き・たこ焼き。お菓子は綿菓子・りんご飴・天津甘栗・ベビーカステラなど。
最近ではシシカバブやドネルケバブ、タコス、チヂミなど、世界中の食べ物が祭りの屋台に登場しています。

・おもちゃ類
キャラクターのお面やグッズ、風船など。
たぶん、みなさんのほうがお詳しいと思います。

・賭けモノ
金魚すくいやパチンコ・スマートボール・射的・くじ・変わったところでは、ひよこやうなぎなど小動物に一定コースを競わせるレースもあります。

・見せ物類
大きな祭りになると、お化け屋敷や見せ物小屋など大仕掛けな屋台もでます。

・動植物販売
金魚すくいやひよこ吊りなど。
植物といえば、ほおづき市やあさがお市などが有名です。

・縁起物販売
いずれも夏祭りではないが、だるま市(だるま)・酉の市(熊手)や十日戎(福笹)などが有名。

地域による傾向を聞かれることもありますが、寅さんのように、全国を飛び回るテキヤさんも多いので、地域ごとの傾向というのはあまりないように思います。
※だるま・ほおづき・あさがお、といったその縁日特有の品は別。

ただ言えることは、

・大阪の祭りでは「大阪焼※」はありません。明石には「明石焼き」はありません。
 ※今川焼の型にお好み焼きの材料を入れて焼いたもの

・大きな祭り・有名な祭りほど、夜店の最低価格単位が高くなる傾向にあります。
 お好み焼きや焼きそばが500円以上することも。

最近の屋台は高価で、油断していると万札が吹き飛びます。
雰囲気を味わいつつ、出費を抑えたいなら、
 ・夜店を冷やかす前に必ず空腹を満たしておく
 ・最初の一回りは完全に「見てるだけ」にして、あとでめぼしい屋台を攻める
 ・予算または時間をあらかじめ決めておく。財布に少なめにお金を入れるのも吉

でも子供の時に親からお小遣いを厳しく制約された思い出があると、大人になって文字通り「大人買い」したくなるんですよね。



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