LIB7 お祭りの意外と知らないコト

第11回 珍祭奇祭の傾向と対策


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どんな業界にも「中の人は当然知ってるが、普通の人は知らない」ことがあります。

お祭りの世界にも、そんなトリビアがきっといっぱいあるはず。
このコーナーでは「お祭りの意外と知らないコト」を紹介していきたいと思います。

現在、お祭り情報メルマガ『わっしょい!全国版』にて連載中。

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第11回〜第12回は、「『珍祭奇祭』の傾向と対策」です。
(※この回はメルマガ本編で2回にわけてお送りしました)

本来、他に類を見ない珍しい祭りだからこそ「珍祭奇祭」と言われるのですが、実際、珍祭奇祭は、いくつかに分類できます。
※祭りの当事者からしたら、分類などされたくないかもしれませんが。

大きくわけると、

・裸の祭り
・性の祭り
・火の祭り
・水の祭り
・泥の祭り
・笑いの祭り
・暴れる祭り
・獣の祭り
・とにかく変な祭り(その他)

に分かれます。

※一部は、奇祭評論家、杉岡幸徳さんの本『日本トンデモ祭』

の分類を参考にさせていただきました。


・裸の祭り
いわゆる裸祭りや寒中禊などがこれに該当します。
会陽、蘇民祭などが代表例でしょう。
祭りによって違いますが寒い時期の無病息災、厄除けや、力比べなどの意味合いがあります。

裸祭りや寒中禊の場合、申し込みすれば一般参加できるものもあります。


・性の祭り
男性器が祭神として登場したり、性的行為をユーモラスに表現したもの、乱交状態になるものなどがあり、例として田県神社の豊年祭、奈良県のおんだ祭り、京都府の県(あがた)祭などがあります。

「裸の祭り」と区別しているのは、祭りの持つ意味合いが全く違うからであり、こちらは主に子孫繁栄を祈願する祭りが多いです。
村人に出会いの場を提供したり、一種の性教育のような役割を果たしていたとされています。ただ、明治時代にこの種の祭りの多くが禁止されたという歴史もあります。

こちらは一般参加ができるものはあまり聞きませんが、カメラマンや民俗学の研究家などが大勢駆けつけます。


・火の祭り
いわゆる火を用いる祭り。
火祭りといえば鞍馬の火祭や吉田の火祭や那智の火祭などが有名ですが、とんど・左義長のような正月行事、花火や天筒花火、そしてねぶた・ねぷたも元はといえば、火祭りの一種とされています。

けがれを火で燃やして清めるという祭りが多いように思います。


・水の祭り
大きく分けて、「水掛け祭り」と「水に入る祭り」とがあります。また、行われるのは夏か真冬が多いです。
夏の水掛け祭りで有名なのが、深川祭の水掛け御輿。
夏に海や川に入る祭りといえば、非常に多数あります。

夏の場合は水の恵みに感謝する・雨乞い・大漁祈願など、冬の場合は、「寒中禊」や「裸祭り」と同様の意味を持つ祭りが多いです。
例外なのが高知県大月町の新春行事「水浴びせ」で、こちらは防火祈願行事。冬の寒い時期、浴衣姿の若者に海水をひたすら浴びせます。


・泥の祭り
伝統的な祭りで「泥」といえば、田んぼ。
代掻きや田植えの時期に豊作祈願として行われるものが多いです。

有名なものとして、高知県若宮八幡宮、愛媛県西予市や、千葉県四街道市のものがあります。
どうせ代掻きで田んぼをかきまぜるのなら、暴れて泥んこになってストレス発散という意図かどうかは不明です。

最近では町おこしイベントとして泥田バレー・泥田サッカー・泥田運動会や、ガタリンピックなどが全国各地で盛んに行われています。
こちらは申し込みすれば誰でも参加できるものが多いです。


・笑いの祭り
これは大きく分けて「祭りの演者側が自ら笑う」か「神様や祭りの観客側を笑わせる」ものの2つに分かれます。
前者の代表格が和歌山県日高川町の「笑い祭り」や大阪府東大阪市の「枚岡神社お笑い神事」、後者が福岡県朝倉市の「おしろい祭り」など多数。
季節的傾向は特にありません。


・暴れる祭り
このパターンで多いのが「壊す系」。
特に、御輿を壊せば壊すほど神様が喜ぶ、といった信仰のある祭りが全国的にも多数みられます。その代表格が、石川県能登町の「あばれ祭り」や愛媛県松山市の「あばれみこし」、兵庫県姫路市の「灘のけんか祭り」等。

あと、神様のお札や縁起物をみんなで奪い合う祭りも暴れる祭りの一種ですが、安全上などの理由で多くは裸祭りになっています。


・獣の祭り
動物もしくは動物に扮した人が主役となる祭り。
群馬県の「猿追い祭り」など。

流鏑馬や比べ馬、田植え祭りで田を耕す牛も、広い意味ではここに入るかもしれません。


・とにかく変な祭り
今まであげたなかでは分類不能な、本当に他では見たことがない、まさに珍祭奇祭のなかの珍祭奇祭ともいえる祭り。

キリストの墓の前でなんと「盆踊り」をするという青森県の「キリスト祭り」や、乞食を崇め奉る岐阜県の「こじき祭り」など。

実際、変わっている祭りとか珍祭奇祭といっても、裸祭りや火祭りなど、全国レベルで見ると他に類を見る祭りというのも多いものですが、全国で年間30万件ある祭りのなかで他に全く類を見ない祭りというのも、少数ながらあるものです。



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