LIB7 お祭りの意外と知らないコト

第13回 新春の祭り


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どんな業界にも「中の人は当然知ってるが、普通の人は知らない」ことがあります。

お祭りの世界にも、そんなトリビアがきっといっぱいあるはず。
このコーナーでは「お祭りの意外と知らないコト」を紹介していきたいと思います。

現在、お祭り情報メルマガ『わっしょい!全国版』にて連載中。

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第13回は、「新春の祭り」です。

新年の祭りや行事といえば、大きくわけると、

・初詣関連の行事
・年占
・新春出初め式や初荷・初売りなど、仕事始め関連の行事
・裸祭り
・寒中水泳や寒稽古など、いわゆる寒行
・とんどや左義長
・新成人を祝う行事

に分かれます。

このなかで、特に説明しておきたいのが「年占」「裸祭り」「寒行」「とんどや左義長」だと思います。



まずは「年占」。
漢字の意味通り読むと「1年を占う」になりますが、コトバンクによると、

年の豊凶を占うことで,主として小正月,または節分などの行事として行われる。粥占(かゆうら)などがその代表的なもの。また綱引,歩射(ぶしゃ),石打,競馬(くらべうま)など競争の形をとるものがあり,勝負によって豊凶を占う。

とあります。
代表的な「粥占」は、竹筒や葦筒など中空植物の茎を粥と一緒に炊き、粥の入り具合で、その年の豊作か凶作かを占う神事です。
小豆粥が使われることが多いです。
炊きあがった後すぐに筒を割り、筒中の小豆と米粒の数で判断するもの、炊きあがった筒を数日放置し、カビの生え具合で判定するものなどがあります。

今月の祭りのなかでは、埼玉県大滝村の三峰神社など全国各地で行われる「筒粥祭」、枚岡神社の「粥占神事」などがあります。

「裸祭り」と「寒行」、寒い中、裸や薄着でがんばるという外形的な点では似ていますが、意味合いは若干違うようです。

「裸祭り」は、生まれたときと同じ裸で神様と接する儀式という面が強いもの。
裸祭りは、大きく分けて2つあり、みそぎ系と争奪系があります。
争奪系は、お札などを大勢の裸男たちで奪い合い、取れた強くて運のある人に幸せがやってくるという行事で、岡山周辺である会陽や、岩手の蘇民祭がその代表例です。

「寒行」は、行事により解釈に違いがあるものの、おおむね「寒さに耐えて気合いを入れて何かを行う」ことに重きを置いた行事だといえるでしょう。

「とんど」と「左義長」、どちらも門松・鏡餅や注連飾りなどを焼く行事という点において大きな違いはなく、地方によって呼び名が違うと考えていいでしょう。googleで「とんど」を検索すると、トップで出てくるのは「左義長」のWikipediaの解説です(執筆当時)。
門松などが出迎えた歳神様を「とんど」でお送りする、という意味があるようです。

新年は、意味を考えながら祭りや行事を楽しんでみるのはいかがでしょうか。



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