LIB7 お祭りの意外と知らないコト

第14回 参加できる祭りの傾向と対策 その1 裸祭り・節分・綱引き編


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どんな業界にも「中の人は当然知ってるが、普通の人は知らない」ことがあります。

お祭りの世界にも、そんなトリビアがきっといっぱいあるはず。
このコーナーでは「お祭りの意外と知らないコト」を紹介していきたいと思います。

現在、お祭り情報メルマガ『わっしょい!全国版』にて連載中。

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第14回は、「参加できる祭りの傾向と対策 その1」です。

「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々」
阿波踊りで有名な一節ですね。参加型の祭りなら、祭りの輪の中に入らないと損、面白くないということをあらわしています。

一方、祭りは地元の人のもの、という側面もあります。
幼い頃から祭りの意味や心や技術などを理解せずに育ち、表面上だけマネして祭りに参加するのは、非常に危険なもの。

昔とは違い、交通がこれだけ自由で盛んになった現在、遠くの祭りへも気軽に行き来できるようになって、このジレンマが表面化するようになりました。

なので、最近は、外部の人間が参加できるように仕組み作りがなされた祭りやイベントが増えてきました。このシリーズでは、一般の人でも参加できるシステムを備えた祭り・イベント・行事や、祭り組織(御輿愛好会など)についてご紹介いたします。
親戚・知人など縁故で特別に参加できるというものは、本項では除外します。

その1では、おもに冬の祭りの傾向と対策についてです。
盆踊りやよさこいなど、春から秋にかけての祭りは、時期がきたら続編をお送りします。



一般参加を広く受け入れるには、説明抜きで(もしくは簡単な説明程度で)参加できるものである必要があります。例えば、踊りや所作を覚えるのに2年も3年もかかるようでは、一般参加できる仕組みを作るのは困難でしょう。

そんななか、地元以外の人相手に参加してもらいやすい祭りは、冬だと、

・節分の豆まき
・裸祭り
・綱引き

が代表的なものになるかと思います。
それぞれの具体例をみていきましょう。

1.節分の豆まき
おうちで家族相手にやれば、という意見もないではないですが、神社仏閣での行事としての節分祭に豆まき役として参加できるものもあります。

ほとんどは事前申し込み制です。
参加費も一万円以上と、割と高額です。

一例として、成田山の開運豆まきをあげておきましょう。
大相撲力士や有名人が参加する「特別追儺豆まき式」とは別の行事になりますが、実は、一般の人でも豆まきに参加できます。
来年以降の参考にしていただければ幸いです。

他にも高尾山、川崎大師、常陸國總社宮、下鴨神社(京都)、宇佐神宮(大分)などで豆まきの公募を行っているそうです。

2.裸祭り

裸祭りは危険が伴うものの、縁起物の奪い合いなど比較的手順が簡単なものが多く、一般参加できる裸祭りも多いです。

当サイトの「お祭り実践講座

でも人気のページです。

以前は飛び入りや当日参加申込みできる祭りも多かったですが、事故や各種規制や保険等の関係で、現在では事前申込み制の祭りが増えました。
現地に行く前に、申込みや準備など、最新情報の確認が必要となります。

参加可能な裸祭りをいくつかあげましょう。

・黒石寺蘇民祭(旧暦1月7〜8日)
・国府宮はだか祭(旧暦1月13日)
・西大寺会陽(2月第三土曜日)
・浦佐毘沙門堂裸押し合い祭り(3月3日)

実際に裸祭りに参加するには、着替え場所や荷物の置き場・お風呂など、身支度関係の場所を確保することが重要。

国府宮はだか祭では、現在、神社付近の「和陽館」というビジネスホテルがこれら一式を担っています。もちろん、国府宮の近くに親戚知人がいれば、そこを利用させて頂くのが最適でしょう。

3.綱引き

運動会でもおなじみの綱引きですが、年占いなどの一環として祭りや行事としても行われます。

一般参加できる綱引きの一例を挙げます。

・刈和野の大綱引(2月10日、秋田県大仙市)
・川内大綱引(9月22日、鹿児島県薩摩川内市)
・那覇まつり(10月体育の日前後、沖縄県那覇市)

半纏や着物ではなく、ふつうの私服で参加する人も多く、観光客がたまたまその場に居合わせたので曳いてみた、というノリの人も多そうです。

その2 神輿・時代行列編に続く。



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